冬季うつ
- 2019年10月07日
- カテゴリー:健康情報
春や夏場は元気であるが秋から冬にかけての期間にだけなぜか気分が沈んだり、朝目覚めても眠い、体が怠い、人との付き合いが面倒になってしまうという人はいませんか
それは冬季うつかもしれません
冬季うつは通常のうつ病とは異なり、冬季にのみ起こるうつ病になり季節性感情障害(SAD)とも呼ばれます。これは日照時間が大きく関わっていると言われています実際に緯度の高い地域(日照時間が短い地域)の方が発症率が高いようです。
日照時間が短くなる秋口から冬にかけては日光に当たる時間も短くなります日光に当たる時間が短くなる事によって人の体に引き起こされる作用としてセロトニンの分泌量の低下が挙げられ、これが冬季うつに大きく関わっているようです
セロトニンは体内時計のリセットや覚醒作用、情動の抑制、気分調節などの働きがありますまた、セロトニンはメラトニンと言って眠りを誘発する睡眠ホルモンの材料となるため、セロトニンが不足する事によって不眠にも繋がる場合もあります
冬季うつの具体的な症状
◎自己否定的になる
◎集中力が欠如し仕事や家事でやり慣れた事ができない
◎無気力感に襲われる
◎人付き合いが億劫になる、面倒くさい
◎睡眠障害(不眠もあるが過眠が多い⇒たくさん寝ても日中眠い)
◎過食(炭水化物や甘いものを特に好んで食べてしまう)や拒食
特に睡眠障害の過眠や過食(特に炭水化物、甘いもの中心)が冬季うつの特徴的なものになります。
冬季うつの対処法
まず、自分でできる改善方法は朝日を浴びる事これが一番だと思います朝日を浴びる事によって体内時計がリセットされますし、セロトニンが分泌されるようになります屋外に出て日光を浴びるのも良いですが、なかなか大変ですので日差しの良く入る部屋で外を眺めたり読書をするのも良いと思います
食事においては、トリプトファンという栄養素の入った食材を摂る事ですトリプトファンはアミノ酸の一種でセロトニンを生成するのに必要なもので、
アーモンドやごま、マグロやカツオ等の赤身魚、油揚げ、納豆、枝豆、そば、パスタ、すじこ、たらこ、肉類などが多く含まれています。
※動物性より植物性の方が吸収が良いようです。
普段の食事から十分に摂取できるものですが、冬季うつや不眠の方などは摂取量が足りていない場合もあるので、以上に挙げた食材を意識して食べてみるのも良いと思います
病院で治療を行なう場合は光療法というものを用いています。2500~10000ルクスの高照度の光を照射して目から光を取り込ませる事によって体内時計のリセットを行ないセロトニンやメラトニンなどホルモンバランスを整えていくという治療法です。
毎年冬になると何故か気分が沈んだり、無気力になって何事にも取り組むのが億劫になってしまうけど、春先になってくれば自然と回復して元気になると言う方は冬季うつの可能性もありますので、一度病院を受診してみても良いと思います