頚椎の亜脱臼(環軸関節回旋位固定)
- 2019年11月11日
- カテゴリー:当院の症例
稀に見る症例ではありますが、環軸関節回旋位固定(かんじくかんせつかいせんいこてい)というものがあります
環軸関節って何??
という方がほとんどだと思いますので、まずはそこを説明しますね
首の骨は7個ありますが、それらの一番上の骨を環椎(かんつい)、二番目の骨を軸椎(じくつい)と呼びます。
名前の通り環椎とは輪状の形をしていて二番目の軸椎を軸として首が回旋できる仕組みになっているのです。
環軸関節回旋位固定とは何らかの原因で環椎が軸椎から少しズレてロックがかかってしまう状態の事です
子供は靭帯や骨形成など未発達の部分がまだまだ多いため些細な事でずれてロックがかかってしまう事があるのです
朝起きたらひどい寝違えのように首が傾いて動かせなくなっていたり、感染症などによって喉の炎症からズレてロックしてしまう事も…
何も知らないとただの寝違えや転倒などがあるとむち打ち症と勘違いされてしまう事もしばしばありますので、しっかりと知識のある整形外科やCT等の検査ができる大きな病院での診察をオススメします
今回、当院ではサッカーでオーバーヘッドキックの練習中に頭から転倒して来院されたので亜脱臼だけでなく骨折の疑いもあるのですぐに整形外科を受診するようにお話をしました
基本的に環軸関節回旋位固定は数日から10日程度で自然と良くなる事がほとんどだと言われています。頚椎にソフトカラーや消炎鎮痛剤を使って痛みのコントロールをして経過観察が治療における基本路線です。喉の炎症で引き起こされたものは薬の処方をされる場合もあります。
しかしながら1週間経過しても改善しなかったりするものは牽引治療を行ないます神経症状があったり牽引治療でも改善されない場合、骨折などを伴っている場合は手術を行なう事もありますが、比率としては自然回復する症例が多いです。
子供が突然首が痛くて動かせないと行言ってきた場合には、しっかりと専門医に診てもらうようにしてください
もちろん当院へご来院頂いた際にはしっかりと状態を確認させて頂いた上で、必要であれば整形外科への紹介も致しますので、いつでもご相談ください