RSウイルス感染症
- 2020年03月09日
- カテゴリー:産後ママお役立ち情報 健康情報
この時期に多い感染症の一つにRSウィルス感染症があります。
このウィルスは呼吸器系の感染症で何度も感染・発症を引き起こすもので1歳までには約半数が、2歳までにはほぼ100%の割合で感染すると言われています。
どのような症状なの?
主な症状としては、咳、鼻水、発熱といわゆる風邪の症状と同じです。潜伏期は概ね4~6日程となります。
子供から大人まで年齢問わず感染し、成長するにつれて症状も軽いもの(鼻かぜ程度)で済みますが、乳児など幼い子供ほど重症化しやすく、「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴を伴う呼吸困難に陥ったり、肺炎や細気管支炎までに進行してしまう場合もあります。
合併症として中耳炎も良くあるそうです。
特に生後1ヶ月未満の子供がRSウィルスに感染すると息が止まり唇が紫色にかわってしまうような【無呼吸発作】や急性脳症を引き起こす場合もあるので注意が必要です。
どのようにして感染するの?
RSウィルスは感染している人の咳やくしゃみ、会話中に飛び散るしぶきを浴びて吸い込み感染してしまう飛沫感染と感染している人の鼻水や唾液がついたりウィルスがついている物(おもちゃ、ドアノブ、タオル、手すり、机、イスなど)を触った手によって間接的に感染してしまう接触感染があります。
RSウィルスは感染力がとても強く、おもちゃに付着したウィルスは4~7時間程、手の場合は約30分程度は感染力を維持しているようです。
また、症状が治まってからも1~3週間ほどは感染力をもっているので、特にRSウィルスに感染した場合はこども園や年配の方がいる福祉施設などでは感染が拡大しやすく注意を要します。
治療法は?
残念ながらRSウィルスに有効な薬はないようです。症状に合わせた対症療法となります。睡眠・栄養・水分補給などを心掛け安静にして経過を観察していきます。
留意点
RSウィルス感染症は7割程は鼻かぜ程度で済む事が多いようです。(1~2週間程度で回復)しかし、乳幼児や初感染が幼ければ幼いほど重篤化しやすいです。低出生体重児やダウン症、免疫不全、心臓や肺に基礎疾患がある子供は急性脳症や無呼吸発作など乳幼児突然死症候群の要因と考えられる症状にまで進展する可能性もありますので、注意深く経過を観察するようにしてください。
また、感染力が非常に強いので家族間でも感染しやすいです。家族がRSウィルスに感染した際はうがい手洗いの徹底や、マスク着用、コップやタオルなどの共用禁止、イスや机、ドアノブなどの消毒も心掛けましょう。
不用意に出かけると、他の人にも感染させてしまうリスクも高いです。しばらくはお出かけなども自粛することが、RSウィルス感染症の拡大の予防にも繋がりますので好ましいですね。