上腕骨外側上顆炎【テニス肘】
上腕骨外側上顆炎
(じょうわんこつがいそくじょうかえん)とは
肘関節の外側(上腕骨外側上顆)部に付着している前腕の筋肉の使いすぎによる筋付着部の炎症が起きて痛みを生じるものです。中年以降のテニス愛好家に多く発症することから別名テニス肘とも呼ばれています。
上腕骨外側上顆炎の原因
上腕骨外側上顆に付着している主に短橈側手根伸筋・長橈側手根伸筋・総指伸筋などの指を伸ばしたり、手首を甲側へ反らす動作時に働く筋肉の使いすぎによって引き起こされます。
テニスのバックハンドでのレシーブや同じラケットスポーツに入るバドミントンや卓球などの競技でも多く、他にもパソコン作業で指の曲げ伸ばしが多い方や飲食店などで雑巾絞りが多い方にも誘発されます。
上腕骨外側上顆炎の症状
ものをつかんで持ち上げる、雑巾を絞る、ネジを回す、手首を甲側へ反らす動作などで肘の外側や前腕の外側に痛みが生じます。症状が悪化すると軽くドアノブを回す程度の負荷や指を伸ばすだけでも痛みが生じたり、安静時にも痛みがある場合もあります。
上腕骨外側上顆炎の
簡易的な検査
Thomsenテスト
1.肘を伸ばした状態で患者さんは手首を反らした状態にします。
2.検者は反らした手を元に戻す方向へ抵抗を加えます
※肘の外側に痛みが出れば陽性
Chairテスト
1.手の甲を上にして肘を伸ばした状態で患者さんに椅子を持ち上げてもらいます
※肘の外側に痛みが出れば陽性
中指伸展テスト
1.肘を伸ばした状態で患者さんは指全体も伸ばします
2.検者は伸ばした中指が曲がる方向へ抵抗を加えます
※肘の外側に痛みが出れば陽性
上腕骨外側上顆炎の治療
使いすぎによる症状なのでまずは痛みを誘発した運動を控え患部の安静を優先します。また、筋肉の柔軟性の欠如も大きな要因になるので前腕・指のストレッチが特に有効になります。また専用の装具(バンド)の着用を行なう場合もあります。その他、消炎鎮痛剤の湿布などの外用や痛みが強い場合にはステロイドなどの局所注射を行なう場合もあります。
当院においての施術
当院においては上腕骨外側上顆炎に強く関係のある短橈側手根伸筋・長橈側手根伸筋・総指伸筋をメインに手技を用いて緩めていきます。これらの筋肉の柔軟性の欠如が付着部の外側上顆を引っ張り炎症を引き起こしている要因になりますので、筋繊維までしっかり緩める必要があります。
また、当院では鎮痛効果の高いハイボルテージ電気治療と超音波を組み合わせたコンビネーション治療を行います。特に上腕骨外側上顆炎の痛みに関してはこの機器を用いると経験上ほぼ全ての方がその場で痛みが激減する事が多いです。
他にも手をよく使う人に関しては専用のバンドの装着を推奨しています。バンド装着により仕事などの作業中でも負担が軽減され痛みも軽くなります。
一通りの施術を終えた後に首から背骨、肩関節、肘関節、手関節と矯正を行ないスムーズに腕が動かせるように調整を行ないます。
体全体のバランスを整える事により、無理な腕の使い方が改善され必要以上に肘周りにも負担がかからなくなるので再発のリスクも軽減された状態になります。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)でお困りの方はお気軽にご相談ください。